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- 2021.11.30
11/24(水)探究アカデミアを開催しました
探究アカデミー東京校の礒部です。
11/24に行われた探究アカデミアの報告をいたします。
テーマは「意外と知らない、STEAM教育のArtの本当の意味と効果って!?」。
STEAM教育って何だろう?
Science、Technology、Engineer、Art、Mathematics、の頭文字をとった言葉なのですね。
科学、技術、工学、アート、数学、理系っぽい教科の中にアートという一見すると場違いな教科が混ざっている!
探究アカデミー東京校の石井先生司会のもと、モデレーター有澤さん、スピーカー児浦先生&ナゼネコさん、の4人でトークが繰り広げられていった。

有澤さんは、過去の探究アカデミアにも数多く登場します当校の親子の学びアドバイザーワカさんのことです。
児浦先生は、私立聖学院中学高等学校(以下、聖学院)の先生です。ちなみに聖学院は「ものづくり、ことづくり、を通して世界に貢献する」というスクールポリシーを元に、STEAM教育を推し進めている学校です。
ワカさんからの質問「STEAM教育を取り入れたことによって何が変わったか?」に対して、
「トライ&エラーを繰り返しながら物事を進める生徒が増えた」という児浦先生の返答は興味深かった。
聖学院はSDGsに関連することは英語を使えるようにしたいと考えており、SDGsの要素が多い社会、家庭科、保健はイマ―ジョン教育で実施している。
数学、情報の教員である児浦先生は今後、家庭科を新たに担当することになるそうだ。これもまた興味深い。

化学メーカーの研究員として働きながら、子供向けアート鑑賞講座の講師をしているナゼネコさん。バリバリの理系畑に進んでいくうちに、アート思考の大切さを知り、広めていく活動をしている方です。
ナゼネコさんは、課題を発見するために観察することが大切と強調していた。観察眼に直結するのがアート思考なのだと。
新規事業での研究にあたって、お客さんの隠されたインサイト(洞察、発見)に気づくことの大切さを痛感したという経験を話してくれた。
ナゼネコさんの話はなおも続く。
学生時代 知識を詰め込むことが勉強だった。でも働き始めると知識はネットなどで調べられる。今やっている勉強が、将来の何に繋がっているのかを教えてもらえたら学生時代の自分は嬉しかったという意見も言ってくれた。
ここで、聖学院中学校が実施している「ものづくり思考入試」について児浦先生が話す。この入試ではレゴを使うのだが、そのポイントは
- 自分の意図を伝える
- 他の人の作品を見てどう思ったか
- 自分と比較する
- 次につなげる
ということである。

ところで4.5年前の聖学院はSTEAMに特化しているわけではなかった。
海外研修に行った際に、生徒たちが自主的にホームページを立ち上げたりしたことを現地の人々に喜ばれているのを見たのが転換期だった。
その時に、ものづくり、ことづくり、に必要なスキルを生徒たちに提供できる学校にしようと考えたわけです。「生徒たちが変容している場面をつくる」という児浦先生の表現が特徴的でした。
児浦先生からナゼネコさんへの「隠されたインサイトをどうやって知るのですか?」という質問がありました。
なぜ、なぜ、なぜ、を繰り返す。本質的なことを解決できない商品はロングヒットしない。
思考体力が必要なのですが。
なるほどですね!
ワカさんも交え、登壇者同士の質問は続く。
「文系の人はSTEAMやSTEMに苦手意識があるのでは?」
文系の大学(学部)でやる論述に焦点が当たる。論述ってどこをテーマにするのか発見し、調べて、まとめる、まさにSTEAMなのではないか?
問いが大事なんだ。
どうなの?何をするのか?という問いが。
聖学院のSTEAM教育に文系、理系は関係ないですよ。
「探究学習発表は上手くなってきたように感じるが、、、役立っているのだろうか?」
与えられた課題 なのか 自分が疑問に思った課題なのか が大きいのではないか。
学校内の発表ではなく、ビジネスコンテストにエントリーして役に立つかどうか試すようなことをしたら面白そうですね。
できれば教育関係者以外の方にプレゼンしてフィードバックをもらうのが良いだろう。
頑張ったからこそ負けることを経験してほしい。
そしてリフレクション(振り返り)をする。このリフレクションが生徒を成長させるんですよ。

参加者からも質問をいただきました。
「小学低学年の子供に対して家庭でできることは?」
確かにSTEAM教育という言葉から非常に難しい内容に感じるが、そもそもナゼネコさんの講義は「子供向け対話型アート鑑賞講座」ということを改めて説明してくれた。
児浦先生からは「そもそも好きなことは何か?好きなこととどう繋がっているのか?」と問うてみてはというアドバイス。
最後に
「自分が大事に思っていることを他者の役に立てる」
「受験のための勉強ではなく、本質を学べる学校を見極めたい」
という児浦先生とナゼネコさんのまとめの言葉を記して今回のレポートを終わります。