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- 2022.02.14
数学嫌いが数学を好きになっちゃう授業って!?
こんにちは。
探究アカデミー東京校の礒部です。
2/11に開催された探究アカデミア(オンラインイベント)の報告をします。
今回のタイトルは「数学嫌いが、数学を好きになっちゃう授業って!?」。

スピーカーは山田先生と梅木先生の二人。
山田邦彦先生は静岡県にあるサレジオ中学高等学校で数学教師をやっている。なんと教員歴28年のベテラン先生だ。ここでは敬意を込めて「クニさん」と呼ばせていただく。
梅木卓也先生はカナダのバンクーバーで数学教師をやっている。ワーキングホリデーでカナダへ行き27歳で大学に入学、それから教員になったという経歴の持ち主。親愛の念から「タクさん」と呼ばせていただく。
モデレーターはデンマーク株式会社の代表取締役の有澤和歌子さん。そう、探究アカデミー東京校のイベントでは何度も「親子の学びアドバイザー」として参加してくれているワカさんだ。
まず、日本における数学嫌いの原因は何だろうか?
ストーリーを無視した授業になりがちなのでは?また答を出すための手続きになっていて生徒たちにとってつまらないのでは?
クニさんはオープンアプローチという言葉を使って話してくれた。数学から得られる価値って何か?困った時に考えること。条件をそろえたり、小さい数にしたり、とりあえずやってみようと考えることが数学の面白さだと。
タクさんはthinking classroomという教育理論を話してくれた。北米の調査によると座ったままの状態では理解度が低いそうだ。立ってみよう、グループになってみよう、ボードに書いてみよう、などの考えられる状況をつくる。それがthinking classroomだ。また、学力が同レベルの生徒が集まるより、様々なレベルの生徒が集まった方が良い効果を上げやすいそうだ。
むむ!テストの点数で習熟度別クラスなんて言っていた授業は何だったんだ と思ってしまうぜ。
ワカさんは、「ドリルは一人ではなくグループでやる」というデンマークの学習風景を話してくれた。質問する、説明する、という学び合いという2次的な効果があるのだという。
では、数学を好きになるには?
1対1で先生に質問に行こう。または友達に聞いてみる。1対1であればどこでつまづいているかがすぐ分かるので解決が早い。その代わり「自分の分からない箇所を具体的に伝えること」が大切。それこそ前半で出てきた答を出すための手続きだけマスターしても意味ないですものね。
実際の授業の様子も教えてくれた。

数学は「言い換え」なんだ。「ということは?」を生徒たちに考えるように伝えている。そして生徒からアウトプットとして「言語化しなさい」と言っている。

先生が生徒をコントロールしない。生徒から出てきたものに先生の方が対応していく。
ある生徒が解いたやり方を別の生徒に説明してもらったりすることもある。
「解けている。けど説明できる?」と表現してもらう。
クニさん、タクさん、の授業を受けたくなってきますね~。

ここで参加者から質問が。
「お2人のやり方でテストの点数はとれますか?」
扱っている問題は教科書、発展問題、入試問題、ですので点数も上がります。
カナダでは受験がないので、点数という評価ではない。納得した解き方や考え方ができるかを重要視しています。
「家庭で取り組める算数・数学ってありますか?」
教材よりも身近な数字をテーマに話したり、考えたり、することがいいのでは。車のナンバーとか、敷き詰められたタイルとか。
東京から札幌へ行くとして何で行くか考えてみるなども面白そう。時間、お金、エコ、などの観点から何が良いかとか。
「授業のノートをとることについてどうお考えですか」
実際にノートを見直す生徒っていないですよね。書きながら理解するのもとても難しい。
ノートチェック(授業態度という評価として)はしません。ウチの生徒は付箋貼ったりしてオリジナルノート作ってますよ。自分のためになるのなら何でも良いと考えます。
まだまだ質問は出てきそうな雰囲気だったが、ここでお時間となりました。
数学を嫌いにならないというよりも、数学の面白さを知りたいなと思える90分間でした。そして、その面白さを伝えるべく奮闘しているクニさんとタクさんの熱い思いを知れたことが一番の収穫だったかもしれません。
さて、次回の探究アカデミアは、
2月25日(金)19:30~21:00
「学校がホンネで語り合う場所になるためには?」
です。
今からワクワクしている!
