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  • 2022.01.31

1月28日(金)探究アカデミアを開催しました!

探究アカデミー東京校の石井です。

探究アカデミア?何それ?

そ、それは、精華高等学校探究アカデミー東京校がお送りしているオンライン公開講座のこと。

この1月は何かと世知辛かった、きな臭かった、みんなの不安が嵐のように渦巻く一ヶ月だった気がする。というのも共通テストでのSNS活用カンニング(これはまだカワイイ事件か?)、ロシアの東ヨーロッパ侵攻の恐れ、オミクロン株の市中感染拡大、そして今週は猟銃を持って立てこもりときたもんだ。結果的に今回のオンラインイベントはそれらを気持ちとして吹き飛ばす90分になったことを個人的にも微笑ましく、そして輝かしく思った。

前置きはこのくらいにして今回は1月にオンラインで開催された探究アカデミア。

今回は一般社団法人つまみ細工協会のみなさん(お三方)との60分のトークショーを通じた伝統工芸世界へのトリップだ。参加された教育関係者(主に教員)、学生、保護者様に向けて伝統工芸って何?どんな役に立つの?何が身につくの?今後の課題、展望は?などを精華高等学校探究アカデミー東京校にて進路指導等で活躍するタカキがファシリしてくれた。

まず「伝統工芸の中のつまみ細工って一体どういったものなのでしょうか?」

情報番組やア○トーーーーークの冒頭15分で扱われそうなこの質問に、つまみ細工協会の鴨下様がわかりやすく答えてくれた。

つまみ細工とは、布や金属で構成された一連の製作物で、かんざしなどの髪飾りをイメージしてほしい。

その歴史は200年ほどあり、もともとは宮中の習い事、つまりは高貴な文化であったと言えるのだが、江戸時代には町民文化として花開いた。

具体的には女性を中心に市中に広まり、今でいうと市民の多くがやっているクラフト的な一面があった。

その中でも今でも伝統工芸として息づいているのが東京を起点をした江戸つまみかんざしである。

全国各地でつまみ細工は存在するものの、この現代において江戸つまみかんざしのみが国が認めた伝統工芸となって生きている。

ちなみに鴨下様は、だから江戸つまみかんざしってすごいだろということを言いたいわけではなく、全国、ひいては世界各国にもっと気軽につまみ細工に触れてもらいたい、広めたいと思っているわけだ。

実際に伝統工芸という分野の中でもこのつまみ細工は髪飾りに用いられることと、誰でも作れる気軽さから”とっつきやすい工芸”といえる。

課題はとっつきやすく手軽さゆえに”価値をどうつけるか?”なのだという。

たしかに限られた技能を持っているからこそ作れる陶器、演じられる歌舞伎などは

伝統工芸としての価値を訴えやすいのかもしれない。

つまみ細工は誰でもできる伝統工芸ゆえに価値をつけることが重要なのだろう。

しかし筆者は先月”民芸”という文化が日本に根付いていることも知った。

この点が今後何かのヒントになるかもしれないな。

  

「教育とつまみ細工の関係性は?学校の授業で取り組んでいた歴史はあるの?」

 

これは昭和時代に家庭科で扱われていたこともあるらしい。

きっと自分が学生の時よりも数十年前のことだったのかな~。

自分が学生の時は日本に「ないものがない」というほどのモノが溢れつつあった時代だったのでつまみ細工は授業に取り入れられなかったのかもしれないが、それよりも前の昭和時代に家庭科で扱われていたなんてちょっとときめくじゃないか。

実際に令和のこの時代、つまみ細工をテーマに開催されるワークショップはいずれも活況で黙々と数時間集中する大人や和気あいあいとしゃべりながら手を動かす子供たちであっという間にワークショップは大好評に終わるらしい。

「最近クールジャパンもありますが、つまみ細工海外への認知は?」という質問も飛び出した。

これはアジアが熱いらしい。特にカンボジアでは長年普及活動をしてきたという。

ただ製品の輸出やワークショップを開催したというレベルではなく、ベトナム人のつまみ細工職人がいるという。

つまみ細工界における外国人第一号の先生もベトナムの方だったんですよ。と鴨下様が教えてくれた。

それを起点にベトナムへの大展開をし今ではベトナムの国内では女性だけではなく男性もワークショップに参加している方が多いらしい。

ベトナムの地で集中して興味津々でつまみ細工をつくっている現地の方たち。

是非とも交流して話を聴きたいものだ。

「つまみ細工の流通、販売はどうやってどこにしているの?」

つまみ細工製品は呉服のカテゴリーに入るらしく、製造工程では分業で製作(金属部分、飾り部分)し、呉服問屋や美容院にて納品されるらしい。

その昔はかんざしとしての利用が主だったが、高度経済成長期に美容院にも広まったという。そして今はインターネットを通じて売れていくことも多いみたいだ。

実はこの正月にコマーシャル撮影に使われたそうで、出演された女優さんのかんざしにつまみ細工が採用されたという。

製品としての魅力が計り知れないつまみ細工であるが、実はポイントはつまみ細工を製品として売ることから「文化、体験に価値がついて売れるようになりつつある」ことだ。

そう、ただの製品の領域であればどんな魅力的であろうと教育とはなかなか結びつかないはずなのだ。そこで次の質問が飛んだ。

 

「伝統工芸に触れることでどういった教育的効果が?進路?人間形成にどう役立つの!?」

その回答に触れる前に、つまみ細工には「2つのつまみ方」しかないことを抑えておこう。

その2つの組み合わせと色遣い、さらにそこから新たなつまみ方を開発することで、結果として誰とも重ならない個性を表現する作品が作れるという。

そして製作したものはもちろん身に着けることができる、つまり生活で使うことができる、日用品遣いができる伝統工芸こそがつまみ細工なのだ。

そんな体験をすると、誰かにつまみ細工の作り方を教えたくなるという。

ここで勘がいい方は気づかれると思うが、つまみ細工を修得するということは、

★色や配置などのデザインを考えることを通じて感性が高まる

さらには、

★個性的な表現方法を身に着けることで自信が生まれて個性情緒安定につながる

のだという。

 

もっと大袈裟言えば「自分とは何たるや?」がわかるのだという。

自分をブランディングする上で、ワタシは歌えます/弾けます/書けますetc…

いろいろあるが、「ワタシは伝統工芸を知っています、そして作れます」は特異なことといえるだろう。

(参加者様のチャットより)

単純だけど複雑、簡単だけど奥が深い、主体的に選択する機会が多々ある、コミュニケーションがうまれる、いいことたくさんですね。

 

このチャットを拝読したときに、私はつまみ細工協会様の思いが視聴者様に通じた気がした。簡単だけど奥が深い、これは 好奇心→探究 ということと似ていると感じた。

まずは興味を持ち、やってみると次々と調べたいことが出てくる、その共通項がつまみ細工と探究活動に見えたのだ。

 

精華高等学校探究アカデミー東京校は通信制高校のため、こんな質問もしてみた。

「若い人材が伝統工芸の世界に飛び込む際どんな人材を求めていますか?」

「どういった人が向いていますか?」

鴨下様曰く「歌って踊れるつまみ細工プレイヤーがほしいね」という。

わかりやすく言うと、伝え方の上手な人。それは認知と拡散がやっぱり重要だからだという。

逆に寡黙な人でも集中していいものが作れれば成功するパターンもある。

ベトナムの第一号となった職人さんも、コミュニケーションに長けたタイプではないが、いまや銀座のデパートにかんざしを納品できるレベルであるという。

 

視聴していた方もつまみ細工にどんどんはまりそう(まだワークショップをしたわけではないのに!)であったがあっという間にタイムオーバー。 

今、つまみ細工協会様は学校の先生や教育関係者向けに、「つまみ細工伝統工芸の世界を教育カリキュラムに入れる取組」をされているらしいので、詳しくはなんと先生方に事前に体験ワークショップを開催もしてくれるらしい。

今回ご協力いただいた一般社団法人つまみ細工協会様についてもっと知りたいと思ったあなたはこちらへ↓ 

https://tsumami-j.com/

精華高等学校探究アカデミー東京校のオンライン公開講座 探究アカデミアについてもっともっともっと知りたいと思ったあなたはこちらへ↓ 

【2/11金 13:00~ online】数学嫌いが、数学を好きになっちゃう授業って!? ?カナダで行われている「考える授業 (Thinking Classrooms)」の実践者と、アクティブ・ラーニングの実践者が話します?

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